銃猟の第一歩

先日、私の地域の管轄である西和警察署に行ってきました。その理由はと言いますと、いよいよ今年の夏に待ちに待った銃猟免許の試験が行われます。昨年末に行われた狩猟免許の試験はわな猟免許のみで、銃猟免許の試験は夏に2回のみ行われるているようです。(都道府県によって異なります)

昨年にわな猟免許は取得しましたが、私の地域の猟友会の支部長さん(お師匠さんと呼んでいる)にも勧められて、今年の銃免許試験を受けることにしました。

その銃免許とは別に、警察署に銃の所持許可をもらわなければ銃猟を行うことは出きません。ですので、試験とは別に警察署の申請も同時に行う必要があります。そのための初心者講習の申し込みをするために西和警察署にお邪魔してきました。

事前にこの初心者講習の申し込みが実は『0次面接』と呼ばれているとは知っていましたが、まさにその様な感じでした。当然ですが、警察側としては一般市民に銃なんて所持して欲しくないでしょう。ですから、その対応は全くと言って良いほどウェルカム感はありません。『どうして銃なんか必要なんですか?』『いい事ないですよー』といった具合に、出来れば諦めて欲しいと言わんばかりの雰囲気が漂っていました。

しかし、私の場合は狩猟への興味はもちろんですが、自然保護や無駄に死んでいく命を出切る限り食材に利用したいという強い思いから、猟師としても一人前になりたいと決意し、銃猟免許試験を受けることにしたので、ここで簡単に引き下がるわけにはいきません。

私が料理店を営んでいることや、お師匠さんとの出会いなどを警察署の担当の方にお話しするとやっと納得して頂いたようで、申し込み用紙に記入させてもらいました。その講習会は8月20日に行われます。またその模様もブログにて報告させていただこうと思います。

協力金&補助金申請に追われる日々

もうそろそろ嫌になってきましたー!

なんて言ってると怒られると思いますが(^人^)頂けるだけありがたい協力金や補助金ですが、なにしろ必要書類が多くて、これはどの申請に使う書類だったっけ?なんてことを何度も繰り返しています。

コロナ禍で売上が下がっている業種は飲食店に限らないのに、飲食店には協力金やら補助金が出ていますが、他の業種では何の補助も出ていないことも多いようです。

我が社は、藤井寺に2店舗と王寺に1店舗の合計3店舗のお店を経営していますので、社員とアルバイトを含めて約30名ほどの従業員がいます。

しかし、緊急事態宣言や時短要請下ではアルバイトのシフトを維持することは不可能です。社員のみで営業して経費を削減し、協力金などで補填しながらお店を維持している状態です。

このような状況でも予想を越える多くのお客様にご来店頂き、毎日涙が出るほど嬉しく思い、改めてお客様に支えられていることを実感する毎日です。

私たちは、ご来店して頂くことにこそ価値があると信じてお店を継続しています。コロナの影響はまたまだ続きそうですが、長年お客様から支えて頂いた皆様の憩いの場所を、スタッフ全員で守っていきたいと思います。

時短要請

とうとう王寺町にも飲食店への時短要請が出るようです。

王寺町の飲食店主仲間の間でも対応は様々で、各店舗出来る限りウイルス対策は行って営業していますが、ここ最近の感染者数の増加から自主的に休業を行ったり、営業時間の変更をしたりと苦渋の決断を迫られています。

そして先日、このような新型コロナウイルスの影響を受けて県に対してどのような要望があるのか、王寺町内の飲食店からの意見を集めるために、アンケート形式で各店主さまに質問させて頂きました。その結果をもとに王寺町と奈良県の事業支援策を決定していこうというものです。

最も多い意見はやはり、協力金を伴う休業要請や時短要請を行って欲しいという意見でした。これ以上ウイルス感染を拡大させないためには、人と人との接触機会を減らすことが最も大切なのは誰もが理解している事です。しかし、私たちのようなお客様にお越し頂いて成り立つ商売は、ウイルス感染拡大予防とは全く逆の事を行わなければなりません。だから皆さん葛藤しながら営業を続けています。

私たち黒天KURO-TENとしても何が正しいのか日々葛藤しながらの営業が続いています。お客様が沢山お越し頂いて、お店が賑わうのは大変嬉しいことです。しかし、それを良しとしない状況であるのも事実です。

この様な状況の中時短要請を受けまして、5月1日から11日の間は営業時間を午前11時から午後8時に変更したいと思います。先の状況次第では変更がある可能性もありますが、今のところこの様な決定をさせて頂きたいと思います。

衰えと闘う

私の息子が6歳になったタイミングで、新極真会奈良支部に入門させて頂き、今では空手を通じた仲間がお店に遊びに来て頂くようになりました。

そんな空手を始めるようになった理由はと言いますと、私も6歳の時に近所のお兄ちゃんに連れられて、私が通っていた上牧小学校の近くにある、体育館で伝統空手の賢裕流道場が開かれていたので、そこに入門していました。大阪から奈良に引っ越して来たばかりの6歳の私にはまだ友達も少なく、近所の年上連中に泣かされて悔しい思いをしていた記憶があります。そして、『こいつらに負けてたまるか。』『絶対にこいつらより強くなってやる。』と強く思っていた記憶もあります。そんな時に、近所の同級生の女の子のお兄ちゃんが、空手一緒に来るか?と言ってくれたので、私は二つ返事で『行く!』と決心しました。

そして、小学校三年生のときに、柏原市の大会で組手の部で優勝したのをきっかけに、どんどん自信をつけて毎年組手の大会で沢山の優勝トロフィーを獲得していました。いつのまにか、近所のお兄ちゃん達より強くなっていました。

頑張れば強くなれるんだ、努力すれば何でもやれるんだ、ということを空手を通して学んだ経験が、私にとってとても良い経験だったので、それを同じような経験を息子にもさせたい思いで、空手の道場に通わせるようになり、ついでに私も昔を思い出しながら大人の空手仲間と共に稽古に励むようになりました。

体はどんどん動かなくなっているのを、年々感じますが、40歳を過ぎてこの体力の衰えをいかに遅らせるか、衰えと闘うことにやり甲斐を感じています。

私より動ける歳上の先輩たちの刺激を受けながら、これからも精進していきたいと思います。私くらいに大きくなった息子の蹴りを受け止められる身体でいられるのが目標です。

師範いつもありがとうございます!
頑張れ息子

食から健康

食育セミナー

食育とは

食育基本法においては、「食育とは生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるものであり、さまざまな経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる人間を育てるもの」と定義されています。

私は料理人として、第一に美味しさ、第二に提供価格、第三に調理肯定と、料理人として食育に関わる事は、おろそかにしてきたと言っても良いと思います。特に居酒屋業態の料理人にとっては、趣向品となる料理が大半を占めるので、召し上がるお客様の体の事を考慮して料理をすることは皆無と言っても過言では無いと思います。

お客様もまた、『外食の時くらい。』とか『今日は何も気にせず美味しいものをお腹いっぱい食べたい。』というのが一般的な思いでしょう。ですから、私たちもお店の料理は美味しさ最優先で、メニューを考案して調理しています。

しかし、近頃は私自身も中年と呼ばれる世代に入ってきたので、健康な食生活というものを意識するようになってきました。私の食育というものはというと、幼い頃に母親から『好き嫌いしてはいけない、何でも食べなさい。』とか、私が味が薄いと言うと、『人参には人参の、玉ねぎには玉ねぎの甘さや味があるでしょ。』『味は薄いほうが体に良いのよ。』といった家庭での食卓で学んできたことがほとんどです。小学校の家庭科や保健体育の授業でも、栄養やエネルギー代謝に関わる様な授業はあった様な気もしますが、ほとんど記憶に残っていない程度のものです。

そんなことを考えながら、お店でも体に良いものを提供していきたいなと考える様になってきました。

しかし、美味しいものは体に悪いとよく言いますが、私も同感です。これは言い換えると、幼い頃から美味しいと認識してきたものが、体に悪いものに偏っている、と私は考えています。

幼い頃から、『これは美味しいけど、体にはこういう影響があるからね』とか『白砂糖は科学的に精製したものだから、消化するのに酵素をいっぱい使うんだよ。』とか、もう少し食が及ぼす体への影響について学んでいれば、それぞれの趣味趣向も少しは変わっていた様な気がします。

ですから、お店のメニューをいきなり健康メニューに方向転換する事は現実的ではありません。じゃあ私にいったい何が出来るのか考えますと、まず自分が正しい情報を集めて勉強する事、そしてそれらを正しく発信していく事、そこから始めて行こうかなと思います。

テレビやネットには情報が溢れていて、何が正しい情報なのか取捨選択するのがますます難しい時代になっています。テレビの情報はほとんどの場合スポンサーに不利な情報は発信されません。考えてみれば、無料でほぼ一日中送信されている電波に有益なものがあるはずがないのです。送信している側に利があるから無料で送信しているのです。もちろん公共の電波として、私たちの生活を支えていることも事実ですが。

ここでは、私が食育について学んで、正しいと思ったことを共有させていただこうと思います。もし間違いが発覚すればすぐに訂正させていただこうと思います。自分の目や足を使って得た情報を発信して行こうと思います。

秘密基地

以前、猟友会の北葛城支部長さんから『一度来なさいよ。』とお誘い頂いていました、猟師仲間で共有している小屋がある大阪府某所まで、朝から車を走らせてお邪魔してきました。

そこはまさに秘密基地と呼べそうな場所。軽自動車がやっと通れるほどの小道を、どんどん山の上へ向かって進むと少しひらけた場所に一件の小屋が建っていました。

小屋がある少しひらけた場所

私はまだ、支部長さんしか面識が無かったので、おひとりずつ初めましてのご挨拶をさせて頂きました。先輩猟師の方々からすれば、私は息子と言ってよいほど歳が離れていますが、快く仲間として迎えて頂きました。

私は今日はご挨拶だけと思っていましたが、罠を見に行こうと言うことになり、さっそく山に向かって道なき道を進んで行きました。

道なき道をゆく
お師匠様が罠を仕掛けている場所のひとつ

山に入って人が通る道ではないところを、どんどん入って行くのは、子供の頃以来のような気がします。お師匠様は、『山を知るんや。どんどん山に入って、動物がどう動いてるかわかるようになる。』と言います。私は幼い頃から自然が大好きでした。まさか大人になって、こういう形で再び自然と関わっていくとは思っていませんでした。

狩猟とは、少し昔は趣味やレジャーのひとつと捉えられていましたが、近年ではその意味合いは大きく変わり、人間の手で作り替えてしまった自然環境を、猟師という人間の手で守っていこうという自然保護の役割になっています。人間世界では害獣と位置付けられ、駆除対象になっている鹿や猪は、天敵であったはずのオオカミを人間が絶滅に追いやったがために、その数は増え、農作物の被害を引き起こしています。これは人間が自ら招いた事です。そのために、邪魔な動物の命を奪っているのです。

たしかに人間の身勝手で引き起こしてしまった事ですが、このまま鹿や猪が増え続けると、人間と自然との共存が難しくなるかもしれません。そこで、天敵を人間自ら滅ぼしてしまったので、それに代わって猟師が狩猟を行っているのです。そんな猟師も、今では高齢化が進み若い世代の育成が必要とされています。

私は一般社会では中堅にあたる世代ですが、猟師の世界では完全に若手に入るようです。命の廃棄問題と同様に、若手ハンターの育成に繋がるようなことも視野に入れながら、今年からハンター一年生として精進していこうと思います。

今日は猪でベーコンを作ってみます

トミーエマニュエル

トミーエマニュエル

私の大好きなミュージシャンのひとり。かなりの頻度でお店のBGMに登場しています。最近ではライブ映像を流すほどお気に入りのギタリストです。

彼はオーストラリアのニューサウスウェールズ州出身。1955年産まれ。グラミー賞に2回ノミネートされた『フィンガーピッキングの達人』として有名です。シドニーオリンピックの開会式でも演奏を披露している、地元オーストラリアでは人間国宝級のギタリストです。

そんなトミーの2019年に行われたビルボード大阪でのライブのバックステージに、お邪魔させて頂くことが出来ました。まさか、その時はこのような新型コロナウイルスにより、海外ミュージシャンの来日どころか、国内のライブ活動さえも制限される状況になるとは思いもしていませんでした。もう一度彼の演奏を生で聴くことが出来るのはいつになるのか、そんなことを考えながら、彼のInstagramや YouTubeでの配信ライブを観ています。彼の奏でる音楽は優しさに満ち溢れています。優しい音色はおそらく彼の人柄が現れているんだろうな、と思いながら聴いていましたが、実際お会いした彼は、優しさに包まれた紳士でした。

音楽的に勉強させて頂くとともに、ひとりの人間としても憧れる人物です。

バックステージで本人にお会いすることが出来ました
私のギターにサインを入れてもらいました♪
最高の音楽を聴きながら美味しい料理とお酒♪

もう一度彼にお会いすることが出来ることを心から願っています。

本物の猟師

最近は狩猟の話題が少々多めですが、本日も狩猟に関するお話です。

昨年の狩猟免許試験に合格しただけでは、まだ正式に猟師として認められた訳ではありません。まず、地元もしくは知人の紹介によって猟友会に所属し、自分が狩猟を行う地方自治体に狩猟者登録を行って初めて狩猟を行うことが認められます。さらに、獣害駆除などの依頼を受けられるのは3年以上経験を積んだ猟師に限られます。まだ私は狩猟者登録をしていないので、今年の11月15日から始まる次の猟期から猟師一年生となります。

猟期というのは、原則11月15日から翌年2月15日までのことで(北海道は10月1日から翌年1月31日)その間だけ狩猟を行うことが許可されています。

次の猟期が始まるまでに地元の猟友会に入れてもらうために、知人を通じて北葛城支部の支部長さんを紹介して頂きました。

さっそく電話をして諸事情をお話させて頂くと、『そういうことなら家に来なさい』と言って頂きお宅にお邪魔することになりました。

香芝市内にあるお宅を位置情報を頼りに探していると、車の荷台に狩猟の教本や雑誌で見たことのある金属の箱や檻が積んであるお宅を発見したので、間違いなくこのお宅だなと車を停めました。

すると、私の父と同じ世代かなと思われる少し小柄な男性が出迎えてくれました。まさしくこの方が、私がお会いしたかった支部長さんでした。

どうして私がこの支部長さんにお会いしたかったかと言いますと、知人を通じてこの方の話を聞かされていました。『猟友会のお師匠さんと呼ばれている方で、お歳はすでにおじいちゃんと言っても良いお歳にもかかわらず、猟銃を片手に猟犬と共に山に入り、一人で数十キロのイノシシを仕留めて担いで山を降りてくる、そんな人がいてるんです。』と。

さっそく、お宅にお邪魔させて頂き猟友会の仲間にして頂きたい旨をお伝えすると快く『若い人が来てくれて嬉しい。』とおっしゃってくださいました。これは全国的なお話になりますが、現在は猟師の高齢化と若手不足が問題になっており、深刻な農作物の獣害対策が困難になりつつあるようです。

奈良県内でも同様で、私のような社会人としては中堅にあたる世代でも、猟友会に入るとかなりの若手に入るようです。

支部長さんは二十歳頃から狩猟をされているそうで狩猟歴は約50年の大ベテランです。猟犬を調教することにも長けておられるようで、6匹の猟犬と共に狩を行っていた時期もあったようです。そんな猟犬も今は最後の一匹を残すのみとなり、私はその猟犬に会わせて頂きました。犬は私も飼育の経験がありますが、大半の犬は尻尾を振りながら人に近寄っていくか、ワンワン吠えて大騒ぎするかのふた通りが多いのですが、この子は少し様子が違いました。じっと私を見据えて品定めをしているかの様でした。そっと手を差し伸べると、スッと一歩下がる仕草をし、私が知っている犬の反応とは違っていました。もちろん可愛らしいお利口さんな犬であることに変わりはないのですが。私も猟犬として犬を育ててみたいなと思いました。

かれこれ2時間近くお話をさせて頂き、お宅を失礼しました。その際に、料理を色々試してみなさいと、イノシシの肉を分けて頂きました。

狩猟の世界はまずお師匠さんを見つけなさいと言われていますが、私は幸運にも素晴らしいお師匠さんに出会うことができました。今年から猟師一年生としてよろしくお願いします。

オンラインMTG

オンラインMTG

コロナのせいで→コロナのおかげで

このキーワードも聴き慣れてきましたが、これもそのひとつ。オンラインで遠くの人達と気軽に繋がれるようになることが、急加速で浸透したのは紛れもなくコロナのおかげです。

昨日は経営実践研究会の東北オンラインミーティングに飛び入り参加させて頂きました。

『児童養護施設から地域を支援する日本最年少税理士を創り出す』をスローガンに、横浜で税理士として、児童養護施設の子供たちにキャリア支援を行っている税理士事務所エンパワージャパンの穂坂さんの取り組みを聞かせて頂きました。

親の居ない子供や少年院から出所する子供たちは、社会人一年生から世間の風当たりはキツく、親が居なければ保証人になってもらえる人が居ないので、住む場所を借りることも出来ません。そういった子供たちはまず、住み込みで働ける場所を探します。しかし、親のいない環境や少年院から出所してきた子たちは、仕事を続けることが難しい場合も多く、その仕事場を辞めてしまうと当然住居も出ていかなければなりません。すると住む場所も仕事も失った彼らは犯罪に手を染めて再び施設や少年院に戻るという『負の連鎖』が断ち切れない状況に陥っている子供たちが沢山居ます。そんな彼らに、施設に居ている間から税理士のスキルを教育し、施設を出る時に税理士事務所に採用する、そして実際の業務経験を重ねた末に顧問先の税務顧問として採用して頂く、その際に顧問先にも育成プログラムに参加して頂くといった、事業の拡大とともに社会課題を解決を進めていく、という持続可能な支援システムを構築するチャレンジをされている、大変興味深いお話を聞かせて頂きました。

さらに、岩手県でも社会問題となっている鳥獣被害を地域の財産へと変えていくため『大槌ジビエソーシャルプロジェクト』を立ち上げておられる、株式会社ソーシャル・ネイチャー・ワークスの藤原さんと及川さんや、宮城県で猪の生ハムを商品化に向けて活動されている大貫さんとの繋がりも増え、私が最近興味を持ち始めたジビエと狩猟に関しても大きな出会いの場となりました。

ジビエ

先日の土曜午前、お店の仕込みに入る前に生駒のTさん宅まで車でひとっ走り行ってきました。

その目的はと言いますと、鹿が捕れたので解体しますとの連絡を頂いたので、解体作業を教えて頂くことです。到着すると前日に皮だけ剥いだ大人のオス鹿がお宅の軒先にぶら下がっていました。

お店のメニューは魚介類が大半を占めていますので、魚を捌くことは日常茶飯事ですが、鹿となると産まれて初めての経験です。魚と違って生物学的には人間と同じ哺乳類に分類されるので、少々複雑な心境になりますが、私たちは生きるために様々な命を頂いているのだ、という実感が増してきました。

肉を食べることに反対される方や、宗教上で禁じられている方など考え方は様々ですが、現状では鹿や猪などの野生鳥獣は害獣として駆除の対象になっています。これは、人間の農作物が受けている被害を減らすためです。これらの鳥獣は天敵が少なかったり、人間しか天敵がいないなど、放っておけば増える一方なので、国内の農作物の収穫量に大きな影響を及ぼすことになります。ただでさえ食料自給率が低い日本にとって、農作物の鳥獣被害は大変深刻なものとなっています。

農林水産省の報告によりますと、平成30年度の農作物の鳥獣による被害額は158億円に上ります。そのうちの約7割を鹿、猪、猿が占めており、被害面積では4分の3は鹿が占めています。

そこで国は、生態系に深刻な影響を与えている鹿や猪などの野生鳥獣を『半減』させる目標を掲げています。

私が特に着目している問題点は、捕獲された鳥獣の大半が廃棄処分されている事です。最初に生態系を狂わせてしまったのは、紛れもなく人間です。ですから、自分たちが壊してしまった生態系を、出来る限り元の状態に戻していくことは、人間の責務だと思います。その過程で失われていく命を無駄にすることは、あまりにも可哀想です。私たち料理人はその失われていく命を、出来る限り食材として使うことで、もう一度私たちの血となり肉となり、命の無駄使いを無くしていくことが出来ると思います。

そのためにも、捕らわれる鹿や猪をいかに美味しい食材にすることが出来るか、それを学び探究していきたいと思います。

私たちが食べられるものは全て生あるものです。命を頂いて生きていることに日々感謝。

私を狩猟の道へ引き込んだTさんに師事
相変わらず羨ましい作業スペース