食育とは
食育基本法においては、「食育とは生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるものであり、さまざまな経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる人間を育てるもの」と定義されています。
私は料理人として、第一に美味しさ、第二に提供価格、第三に調理肯定と、料理人として食育に関わる事は、おろそかにしてきたと言っても良いと思います。特に居酒屋業態の料理人にとっては、趣向品となる料理が大半を占めるので、召し上がるお客様の体の事を考慮して料理をすることは皆無と言っても過言では無いと思います。
お客様もまた、『外食の時くらい。』とか『今日は何も気にせず美味しいものをお腹いっぱい食べたい。』というのが一般的な思いでしょう。ですから、私たちもお店の料理は美味しさ最優先で、メニューを考案して調理しています。
しかし、近頃は私自身も中年と呼ばれる世代に入ってきたので、健康な食生活というものを意識するようになってきました。私の食育というものはというと、幼い頃に母親から『好き嫌いしてはいけない、何でも食べなさい。』とか、私が味が薄いと言うと、『人参には人参の、玉ねぎには玉ねぎの甘さや味があるでしょ。』『味は薄いほうが体に良いのよ。』といった家庭での食卓で学んできたことがほとんどです。小学校の家庭科や保健体育の授業でも、栄養やエネルギー代謝に関わる様な授業はあった様な気もしますが、ほとんど記憶に残っていない程度のものです。
そんなことを考えながら、お店でも体に良いものを提供していきたいなと考える様になってきました。
しかし、美味しいものは体に悪いとよく言いますが、私も同感です。これは言い換えると、幼い頃から美味しいと認識してきたものが、体に悪いものに偏っている、と私は考えています。
幼い頃から、『これは美味しいけど、体にはこういう影響があるからね』とか『白砂糖は科学的に精製したものだから、消化するのに酵素をいっぱい使うんだよ。』とか、もう少し食が及ぼす体への影響について学んでいれば、それぞれの趣味趣向も少しは変わっていた様な気がします。
ですから、お店のメニューをいきなり健康メニューに方向転換する事は現実的ではありません。じゃあ私にいったい何が出来るのか考えますと、まず自分が正しい情報を集めて勉強する事、そしてそれらを正しく発信していく事、そこから始めて行こうかなと思います。
テレビやネットには情報が溢れていて、何が正しい情報なのか取捨選択するのがますます難しい時代になっています。テレビの情報はほとんどの場合スポンサーに不利な情報は発信されません。考えてみれば、無料でほぼ一日中送信されている電波に有益なものがあるはずがないのです。送信している側に利があるから無料で送信しているのです。もちろん公共の電波として、私たちの生活を支えていることも事実ですが。
ここでは、私が食育について学んで、正しいと思ったことを共有させていただこうと思います。もし間違いが発覚すればすぐに訂正させていただこうと思います。自分の目や足を使って得た情報を発信して行こうと思います。