以前、猟友会の北葛城支部長さんから『一度来なさいよ。』とお誘い頂いていました、猟師仲間で共有している小屋がある大阪府某所まで、朝から車を走らせてお邪魔してきました。
そこはまさに秘密基地と呼べそうな場所。軽自動車がやっと通れるほどの小道を、どんどん山の上へ向かって進むと少しひらけた場所に一件の小屋が建っていました。
私はまだ、支部長さんしか面識が無かったので、おひとりずつ初めましてのご挨拶をさせて頂きました。先輩猟師の方々からすれば、私は息子と言ってよいほど歳が離れていますが、快く仲間として迎えて頂きました。
私は今日はご挨拶だけと思っていましたが、罠を見に行こうと言うことになり、さっそく山に向かって道なき道を進んで行きました。
山に入って人が通る道ではないところを、どんどん入って行くのは、子供の頃以来のような気がします。お師匠様は、『山を知るんや。どんどん山に入って、動物がどう動いてるかわかるようになる。』と言います。私は幼い頃から自然が大好きでした。まさか大人になって、こういう形で再び自然と関わっていくとは思っていませんでした。
狩猟とは、少し昔は趣味やレジャーのひとつと捉えられていましたが、近年ではその意味合いは大きく変わり、人間の手で作り替えてしまった自然環境を、猟師という人間の手で守っていこうという自然保護の役割になっています。人間世界では害獣と位置付けられ、駆除対象になっている鹿や猪は、天敵であったはずのオオカミを人間が絶滅に追いやったがために、その数は増え、農作物の被害を引き起こしています。これは人間が自ら招いた事です。そのために、邪魔な動物の命を奪っているのです。
たしかに人間の身勝手で引き起こしてしまった事ですが、このまま鹿や猪が増え続けると、人間と自然との共存が難しくなるかもしれません。そこで、天敵を人間自ら滅ぼしてしまったので、それに代わって猟師が狩猟を行っているのです。そんな猟師も、今では高齢化が進み若い世代の育成が必要とされています。
私は一般社会では中堅にあたる世代ですが、猟師の世界では完全に若手に入るようです。命の廃棄問題と同様に、若手ハンターの育成に繋がるようなことも視野に入れながら、今年からハンター一年生として精進していこうと思います。